2013年の入場者数減は佐久陸開催や悪天候が原因?

 パルセイロは今年JFLで悲願の初優勝を果たし天皇杯でもJ1クラブと互角以上に戦い大躍進,2015年春には南長野の改修も完了予定でJ2昇格に向け視界良好…と言いたい所ですが目の前には平均入場者数3000人という大きな壁が立ちはだかっています。ここ数年順調に伸びていた平均入場者数も今年は2339人と昨年より471人も落ち込み,優勝を決めた試合にも関わらず秋田戦の入場者数が1656人に留まった事で危機感を募らせている方も多いと思います。
 クラブがこれだけ結果を出しているのに入場者数が減ってしまった原因について
 ・8月から南長野を離れ佐久陸開催になった
 ・試合日に雨が降るなど天候が悪かった
 といった事を挙げる声があり,私もなんとなくそんな気がしているので実際のところはどうなのか調べてみました。


 まず南長野と佐久陸の比較ですが,入場者数を単純に平均すると【南長野:2319人/佐久陸:2377人】で大きな差は無くむしろ僅かながら佐久陸の方が多いという結果に。集客上極めて不利だった平日昼間開催(第9節/1518人@南長野)を除いた比較でも【南長野:2399人/佐久陸:2377人】で殆ど差がありません。目標の3000人をクリアした試合数も南長野の1試合に対し佐久陸は2試合ですので,南長野から佐久陸になって入場者数が減ったと主張するのはちょっと難しい気がします。
 続いて天候について
 ・本当に今年は例年より天候が悪かったのか?
 ・そもそも天候が悪いと入場者数が減るのか?
 の2点を調べてみます。
 2010年まで参戦していたHFLも2011年から参戦しているJFLも過去の公式記録を公開していますので,遡って確認可能な2006年~2012年に行なわれたホームゲーム全67試合の公式記録上の天候を集計してみます。
 入場者数・天候一覧
 『○○時々△△』『○○一時△△』といった場合は共に○○扱いとすると天候別の試合数は【晴:34試合(約51%)/曇:29試合(約43%)/雨:4試合(約6%)】でした。
 この割合を16試合に換算すると【晴:8試合/曇:7試合/雨:1試合】となり,実際16試合開催だった昨年と一昨年の記録を見てみると2年ともドンピシャで一致。と言う訳でこの割合を例年の天候とします。
 今年は17試合開催だったのでこの割合で換算すると,例年の天候は【晴:9試合/曇:7試合/雨:1試合】と予想されます。実際は【晴:8試合/曇:4試合/雨:5試合】だったのでなるほど確かに今年は天候が悪かった事が判ります。過去7年間で4試合しかなかった雨の試合が今年だけで5試合もありましたからね。ただ,その一方で晴天に恵まれた日数がほぼ例年通りだった事も判ります。毎試合の様に雨を心配していた印象があるのでこれは意外でした。
 次に天候別の平均入場者数。HFL時代は真夏に薄暮ゲームを行なうといった配慮も少なく,真夏の晴天は却って入場者数が減る事もあったのでここではJFLに昇格した2011年以降を集計します。
 2011年【晴:2433人/曇:2286人/雨:1030人】
 2012年【晴:2928人/曇:2803人/雨:1914人】
 2013年【晴:2563人/曇:2293人/雨:2019人】
 おお,随分綺麗に出ましたね。確かに天候が悪いほど入場者数も減る傾向がある様です。
 これで『今年は例年より天候が悪かった』『天候が悪いほど入場者数が減る』事が判りました。更に例年の天候【晴:9試合/曇:7試合/雨:1試合】と2013年の天候別平均入場者数【晴:2563人/曇:2293人/雨:2019人】も判りましたので,もし今年が例年通りの天候だったらどれくらいの入場者数が見込めたのかも試算できます。そこで計算してみたところ1試合平均が2413人,実際の平均入場者数2339人より多少増えるものの昨年の2810人には遠く及びませんでした。まあそりゃそうですよね,一番集客出来ている晴れの日でも平均2563人なんですからどう計算したってそれ以下に留まります。
 以上をまとめると『今年の入場者数減が佐久陸開催の影響とは言い難いが天候が影響した可能性はある,でも天候さえ良ければ去年並の人数になっていたハズだと考えるのはちょっと無理があるんじゃね?』といったところ。そもそも天候が原因だったとしても対策の取り様が無いですしね。てるてる坊主作ってオフィシャルグッズで売るって手も無くは無いですがw
 集客に影響するのは公式記録に載ってる試合中の天候じゃなくて朝から試合開始にかけての天候だろう(実際,霰交じりの大荒れだった今年の開幕戦も公式記録上は『曇』扱い)とかツッコミ所もありますが,それは今年に限った話ではないしそれを言い出すとこのエントリが丸々無駄になるので考えない事にします。とはいえ大枠ではそれほどズレた結論にはなってないんじゃないかなと。
 天候以外にも入場者数減の原因があればきちんと検証して対策を取る,それ以外にも集客に繋がりそうな施策を実施する。抽象的な表現になりますが結局そんな所に落ち着くんじゃないでしょうか。

コメント

  1. u-ma より:

    兎に角ゴール裏の雰囲気が悪い。
    一生懸命やっているんだろうが、それが裏目に出ている。
    正直、ゴール裏が盛り上げて(楽しさを前面に押し出すetc)行かないとダメ!!
    最低限のマナーは守りつつとにかく思いっきりバカになって盛り上げないとダメ!!
    一般の人のゴール裏の印象は「オタクっぽくキモイ!」が多いよ!
    [一生懸命やっているは]自己満足で客観的分析ができていない。
    これが観客増員しない元凶の大きな一因。

  2. 源三郎 より:

    今シーズンは、確かに試合前日の天気用法などの影響もあり、体感的にはJFL公式の天気ではないこともあったと思います。
    とはいっても昨年よりは、観客席の熱の入りようは明らかに違っていたと思います。
    あとは、マンネリ化をどう防ぐかと交通手段でしょうね。
    先日、長野の親戚関係に会い、聞きましたが決して知らないわけではなく期待を持って見守っていると言う感じでした。
    地域のお祭りには、どんなマンネリ化してもみんなが楽しみにして参加していると思います。
    観客のパターンとして、サッカーというものに対しての観客者は実はそんなに多くなく、長野の象徴を応援して地域のコミュニケーションとアイデンティティーとしてスタジアムに行くと言うパターンが多いと思います。(例えば、高校野球の県代表とか、楽天の東北とか)
    サッカーとかゲームの質とか強いとかではなく、まずはお祭りの縁日のような盛り上がりから始めて、根付いていくんではないでしょうか。
    観客を集めようとか、理屈的に考えないで、スタジアムではもっとにぎやかに騒いでも委員ではないでしょうか。
    先日のパレードのようにスタジアムの周りを歌いながら行進しても面白いと思いますよ。交通手段は、クラブに提案してみればいかがですか。

  3. ぴあら より:

    佐久,小諸市在住の職場仲間で初観戦した家族も天候が悪いときは足を運ばなかったです。また、駐車場の問題もどうしようか迷っているときの大きな要因でした。来シーズンは佐久陸もさらに整備されそうなのでキャパが増えアプローチも2-3箇所になるので少しは改善されそうな気がしますがトイレの増設も含め佐久市役所に一市民から強く要望しようと考えております。
    さらに、確かに度を過ぎないほどのお祭り騒ぎは大切です。毎年恒例のハロウィンではスタッフのひとりがホテルマンのような礼装して迎えてくれました。とても雰囲気がよくどこかのテーマパークのようなゲストを迎えるおもてなしをその一人のスタッフから感じました。毎試合仮装しても良いのではないでしょうか。さっそくパルセイロHPに意見陳述してみます。

  4. m@key より:

    素晴らしき状況分析、いつものことながら感心します。
    自分の周囲の観戦仲間の状況として、実は土曜日開催は厳しかったと。日曜日開催なら行かれるが、土曜日は仕事だったり、小中学校の子どもがいれば、土曜日の行事や習い事の付き合い多くなかなか難しいと。今年の南長野の日程は土曜日が多かったことが、あくまでも自分の周囲ですが、影響ありました。
    よって、日曜日佐久開催になったほうが観戦仲間が多かったことは事実なんです。
    土曜日と日曜日、案外差があるかもしれません。

  5. ジュジュ より:

    皆様コメントありがとうございます。
    個別の返信は控えさせて頂きますが
    クラブや人任せでは無く,こうやってサポーター一人一人が
    地域の盛り上がりについて考え行動する事で良い方向に向えばと思います。

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